スマート農業とは
スマート農業とは、ロボット技術やICTなどの先端技術を活用し、超省力化や高品質生産などを可能にする新たな農業のことを指します。
海外では、
● スマートアグリカルチャー(Smart Agriculture)
● スマートアグリ(Smart Agri)
● アグテック(AgTech)
● アグリテック(AgriTech)
などと呼ばれています。
従来、農業という分野は、ITやICTといった技術と縁がない分野だと考えられていましたが、ここ数年の間に加速し、導入が急速に拡大しています。
スマート農業が拡大している背景
理由としては、いくつか考えられますが、食料自給率の向上や農業従事者の高齢化が背景にあると考えられています。
(日本の食料自給率は2018年度で37%と、自国生産が少ないことに加え、農業分野における人材不足が課題となっていますが、そのような状況の中で自給率を高める為には、少ない人材で正確に作物を収穫でき、かつ人材の手がかからない自動化が欠かせない条件になります。)
取り組みの一例
● 農薬散布×ドローン⇒自動散布
● 作物収穫×ロボット⇒自動収穫
● 荷物運搬×ロボット⇒自動運搬
スマート農業の可能性
今後は、AIと組み合わせることで、実作業だけではなく、人間しかできなかったような、果実の収穫時期の見極めや、形・サイズの選別といった部分でも、機会が代替できると期待されています。
ここでは、スマート農業先進国であるオランダの事例をご紹介します。
スマート農業については、オランダ政府が積極的な支援を行っており、ソリューション会社と農業事業者の双方に補助金を支給しています。2014年に創業した「Avular」というオランダの新興企業は、屋内での飛行を得意とする小型ドローンの自律走行(※1)システムを開発していますが、政府からの補助金を受けて、温室内のドローン検査システムも完成させています。
さらに、ドローンが撮影した画像から、害虫の有無や作物の病気を発見できるAIシステムも開発されています。
オランダでは自国で開発したスマート技術の技術輸出を次の産業として育てていくことを目指しており、スマート産業に関わる新たな専門職も誕生しています。
(※1) ドローンを温室内で自律飛行させるには、天井の高さを正確に把握して飛行できるナビゲーションプログラムや、壁やガラスなど障害物が認知できる、高度なセンサー機能を組み込む必要があります。