労働力を地産地消に

米国NYは大都市だが金融関連を除けばすべての業種があるわけではない。GAFAだって違うところに本拠地がある。政治、行政はワシントンで行われる。もちろん、米国は想像を絶する広く、歴史の浅い移民の国でもあるから先祖代々同じ土地に暮らす意識は低い。

そのうえで、東京という都市は異常なほど全ての機能が集中している。そして人も。

働き方改革?で残業を削っても、通勤に2時間近く要し、通勤ラッシュに耐えているのが普通。


台風被害で交通網が大きく乱れた時、誰の指示でもなく整然と通勤客の列が駅前にできた画像を見て、背筋が凍った。ラッシュには戦場の兵士並みのストレスがかかるという研究結果さえ出ているのに、皆が東京に住んで働くのは何故?


それは交通費が会社持ちだから、と筆者は考えている。電車なら月額15万円まで非課税、企業は損金算入できる。


米国で働いていた時、交通費など出してもらえないので、授業員は住居を確保する時に、通勤コスト込みで費用を考えていた。土地が安い場所まで行けば、住居費用が安いので、通勤地獄を我慢すれば良いと割り切る東京のようにはいかない。


それで生産性があがるのか?

企業が安く、良質な労働力を得るための、高度成長期の制度が残っているだけではないか?


短期間に転居を伴う転勤が求められ、単身赴任という、世界に類をみない就労方法がまかり通ることに疑問を感じないだろうか?家族から解放されてひとり生活することが楽しい、と認識されることが時代錯誤と思う。因みに、筆者の経験では、それまで真面目であった人ほど、このタイミングで不祥事を起こす。

企業の危機管理上も単身赴任は望ましくないと考える。


地方では人材の不足が著しく、東京では人口集中による問題が多い。地方でもっと良質の人材を確保できれば、企業は本拠地を東京から移転し、事態は改善に向かうと考える。

低成長、人口減少の時代に入り、生産性改善にはロジスティックのコスト(危機管理費用も含む)を社会的に低下させる必要がある。

そのために地産地消が必要な重要事項として、労働力(通勤のコスト削減)、エネルギー(送配電のコスト削減)の二つを指摘しておきたい。




<文・金融、経営管理アドバイザー 博雅>