石 堂  里 佳
CEO
 ​20代の活躍を支えることが 
 10年後の世界を変える。

人間観察を繰り返した子ども時代

 3人兄弟の長女として生まれ、兄と弟と両親の5人家族で、にぎやかに暮らしてきました。学校の友だちや近所の遊び仲間も多く、たくさんの親せきに囲まれながら過ごしてきたせいか、いつしか人間観察をするようになっていました。

 忘れ物が多くて叱られてばかりなのに、みんなに優しくできる人。授業中はおとなしいのに、休み時間になると明るく元気な人。人を笑わせるのが得意な人。目立とうとはしていないのに、気品があってモテる人。人それぞれにいろいろな個性があり、ひとつとして同じ人生はない。あたりまえのことですが、「すごいことだな」って思えました。

 社会人になり弁護士事務所に勤め、たくさんの裁判を目の当たりにしてきました。事件、事故、さまざまなトラブルを文章に書き起こし、多面的に分析し理論立て、数え切れない程の弁護資料を作成してきました。

 愛した人と争う人。友人との関係がこじれてしまった人。仲良しの家族だったのに家庭が壊れてしまう人。お金のために人生を踏み外す人。実にさまざまな人生がそこにあり、実にさまざまな不幸を知りました。言葉にならない悲しさが、憂いが、そこにはありました。

 人間が壊れてしまうまえに。人が人生を踏み外してしまう前に。私になにかできることはないものかと模索する日々が続きました。わずか2年という短い期間でしたが、わたしにとっては長く濃い時間で、人の幸せを考えるには十分すぎる時間でもありました。

 わたしがここで見てきた不幸は、もう、二度と見たくはない。これからの人たちに、決して当事者になって欲しくありません。若い考えかもしれませんが、「不幸なんて、なくなればいいのに」と心からそう叫びたい気持ちで過ごしていました。

 弁護士事務所では、日々、会社の債権整理の業務もありました。市場環境が目まぐるしく変化し、次々と押し寄せる荒波にもがきながら、閉鎖を余儀なくされる経営者の悲しみは言葉に言い表しようがありません。現実社会の苦しさを書類から読み解きながら、経営の厳しさを痛切に感じる一方で、その高い壁に、いつか自分自身も挑戦しようという思いが芽生えた瞬間でもありました。

さまざまな人生の現実と向き合う